血圧と健康管理のおはなし (2014/06/10 更新)

facilities-img014211121111.jpg日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康診断で「異常なし」と判定する、血圧やコレステロール値などの新たな基準範囲案を4月に発表しました。しかし、この新基準値により健康とされる範囲が広がったと歓迎する声が上がる反面、日本高血圧学会や医療現場からは潜在的病気リスクを見逃すことがあるのではといった懸念の声も上がっています。
具体的には、血圧に関しては14年前の高齢者の基準値で上が160mm/Hg以上で下が95mm/Hg以上であったものが、新基準値では上が140mm/Hg以上、下が90mm/Hg以上に引き下げられ、高血圧症の患者さんは約1,700万人から4,000万人に増加、合わせて高血圧症の治療に使う薬の費用も7,500億円から1兆7,700億円に増加したと言われています。

当然、血圧が200mm/Hg以上の人は脳卒中や心筋梗塞を発症しやすくなりますが、高齢になると血管は細く、硬くなっていくため、脳に十分な血液を送るために血圧を上げて重要な脳の機能の低下を防いでいる要素もあります。つまり、血圧とはその人それぞれの年齢、性別、体重、塩分やアルコール、ニコチン(煙草)の摂取量などにより、身体が自然に調節しているため、血圧は常に数値の変動があることを考慮する必要があります。高い血圧を急激に下げると、脳血流量も減少し、思考や判断力の低下に繋がったり、病気のリスクを高めることもあるため、適度な運動や、肥満度の管理、アルコール摂取の減量など生活習慣の改善に努めることが大切です。


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